産後うつ状態に影響を及ぼす背景因子についての縦断的研究(第一報) : 母親自身の被養育体験・内的ワーキングモデルおよび児への愛着との関連

概要

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幼少期の被養育体験・愛着スタイルが産後うつ状態・児への愛着に与える影響を明らかにし,助産師が行う妊産婦の育児支援のための基礎資料とすることを目的とし,本研究を実施した。妊娠末期から,産後5日,1ヵ月,3ヵ月までの追跡調査が可能であった妊産婦58名を分析の対象とした。質問紙は,1.対象の属性・背景に関する質問紙,2. Self-rating Depression Scale, 3.産褥期母親愛着尺度(Nagata),4. Parental Bonding Instrument, 5. Internal Working Model:対人関係における愛着スタイルの評定尺度を実施した。産後うつ状態の出現頻度は,産後5日50.0%,1ヵ月58.6%,3ヵ月44.8%であった。産後5日〜3ヵ月までうつ状態が持続している人は36.2%であった。PBIで評価された妊婦自身の被養育体験は,IWMを介し,産後うつ状態に影響を与えていた。さらに,産後うつ状態は産褥期母親愛着尺度の母親愛着因子と負の相関,接触・育児不安因子と正の相関がみられた。