慢性閉塞性肺疾患患者の運動耐容能に対する高強度の運動療法の長期効果

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慢性閉塞性肺疾患患者に対する持久力トレーニングなどの高強度運動療法を,10週間の短期効果と1年間の長期効果に関して検討した。さらに,運動療法を10週間終了後,1年後に運動耐容能の低下を認めた患者の初期評価の特徴や運動耐容能の低下に関与する要因を明らかにした。慢性閉塞性肺疾患患者57例に高強度の運動療法を実施し,導入前(初期評価),10週間後,1年後に評価を行った。6分間歩行距離は,初期評価と比べ,10週評価,1年評価で有意な改善を認めたが,1年評価は10週評価より改善量は少なかった。10週評価と1年評価の差であるΔ6分間歩行距離が54m以上の低下を認めた低下群の初期評価の肺機能や6分間歩行距離,ADL score,健康関連QOLは,維持群と比べて,有意な低下を認めた。Δ6分間歩行距離と相関関係を認めたのはΔADL scoreのみであった。高強度の運動療法は6分間歩行距離を1年間の長期的に改善させるが,運動療法導入時の全身機能が低下している場合,6分間歩行距離が10週間では改善するが,1年後には低下し易く,6分間歩行距離の低下がADLの低下に関連していたと考えられた。改善した運動耐容能を維持するためには,運動療法の早期導入が望ましいと考えられた。
社団法人日本理学療法士協会の論文
2006-04-20

慢性閉塞性肺疾患患者の運動耐容能に対する高強度の運動療法の長期効果

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