有効積算温度と生育診断による暖地水稲の窒素吸収量推定法(日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)

概要

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水稲に対する窒素肥料の適正施用を目的として,生育診断により窒素吸収量を推定する方法の改良を行った。当推定法の適用範囲の拡大を図るため,福岡県における主力3品種を供試して,移植日を4月下旬,5月中旬,6月上旬として検討した。その結果,移植2〜8週後において,草丈,茎数,葉色の3者と移植日から調査日前日までの有効積算温度を乗じた積は窒素吸収量との相関が非常に高く,単一の回帰式での推定が可能と考えられた。また,3品種を含めて基準温度を検討した結果,12℃とするのが適当であった。なお,推定式は次のとおりである。[numerical formula] Un:移植n日後における株当たり窒素吸収量(mg),Hn:草丈(cm),Nn:株当たり茎数(本),Cn:葉色,t_i:移植i日後の日平均温度(℃),ただしt_i<12のとき,t_i-12=0とする。上式の気象条件の異なる年次における適用性を検討した結果,従来法と比較して高精度で十分適用できることが明らかとなった。
社団法人日本土壌肥料学会の論文
2005-08-05