歯周ポケット内のテトラサイクリン耐性遺伝子の分布について : 第二報:tet Qについて

概要

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過去6カ月以内にテトラサイクリンの投与を受けていない歯周炎患者38人の歯周ポケット内のテトラサイクリン耐性遺伝子tet QならびにPorphyromonas gingivalis (P. gingivalis)およびPrevotella intermedia (P. intermedia)の分布についてPolymerase chain reaction法および細菌培養法(4μg/mlテトラサイクリン添加トリプチケースソイ血液寒天培地使用)にて実態調査を試みた。その結果,tet Qは89.5%, P. gingivalisは65.8%, P. intermediaは36.8%検出された。tet Qは,サンプリング部位のポケット深度が深い部位で高い陽性率を示し(カイ2乗検定, p<0.05),またP. gingivalis陽性部位で96.0%, P. intermedia陽性部位で92.9%の割合でtet Qが検出された。tet Qを有するP. gingivalisおよびP. intermediaは培養法による検索では分離されなかった。しかし,両細菌の存在するプラークサンプルのtet Qの陽性率が高いことから,歯周病に関連するP. gingivalisやP. intermediaなどがtet Qを獲得する可能性は否定できないと思われる。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1998-03-28