心身障害者の口腔所見 : 第2報成人精薄者集団の歯周疾患と齲蝕の罹患状況について

概要

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精薄者重度集団と中軽度集団の各100人 (年齢17歳〜56歳) について歯周疾患と〓蝕を主体に検索した。重度集団は出生以来検索時点まで歯口清掃を殆ど全く行なわない例であり, 中軽度集団は約半数が完全とはいえないまでも歯ブラシの使用が出来る例である。歯肉の炎症性変化は, 中軽度集団より重度集団で高度であり, 男性より女性で高度な例が多かった。また, 性差よりは集団差が明らかであった。歯周組織の骨保持量は中軽度集団より重度集団で, 男性より女性で高度であったが, 集団差よりは性差が明らかであった。歯群の動揺は, 両集団とも女性で高度であり, 集団差よりは性差の方が明らかであった。〓蝕の罹患状況は, 重症集団においては罹患頻度に性差はなかったが, 進行度では女性で高度であった。しかし, 中軽度集団においては頻度は女性で高度であったが, 進行度では明らかな性差は得られなかった。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1987-06-28