上肢の波動運動の分析的研究 : 筋電図を中心に
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概要
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上肢の波動運動の特徴を次のようにまとめることができる。肩甲骨の挙上と牽引と挙上,肩関節の屈曲と伸展と屈曲,肘関節の屈曲と伸展,腕関節の屈曲と伸展,中手指節関節と指節間関節の屈曲と伸展,すなわち,上肢の近位から遠位に配列する各関節の屈伸運動がごく僅かづつ運動の位相をずらせて,順次に起る。しかも,上下運動の振幅は,肩関節,肘関節,腕関節の順に増大し,中手指節関節と指節間関節ではこの順に減少する。すなわち腕関節の屈伸運動の幅が最も大きく,指先の運動の幅は小さくなる。関節の伸展,屈曲と同様に各の関節の運動に関与する筋の活動にも,活動の強弱の位相になめらかな遷移が起っていることが筋電図に表われたパターンの変化から推測することができる。また関節の屈伸運動は筋肉の能動的な働きによるだけではなく,重力による受動的な運動も巧みに取り入れられていると思われる。さらに,自由肢諸関節の屈曲と伸展に加えて肩帯の回旋運動,橈尺関節の回外,回内運動,腕関節の回旋運動が起り,いっそう運動の円滑さを強調している。すなわち,上肢の波動運動は,それぞれの関節の上下運動と回旋,回外および回内運動の組み合わさった複雑な運動で単に屈曲,伸展運動の反復ではない。
- 千葉大学の論文
- 1979-12-20
著者
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