脳卒中後遺症者に対するCIセラピー : 1症例の経験からの考察
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概要
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CIセラピーはTaubらが開発した中枢神経障害による麻痺側の運動を誘導する治療法である.今回われわれは,1人の脳卒中後遺症者に対し,CIセラピーを実施したところ,運動機能の改善が見られたので,その結果について報告する.対象者は脳梗塞による左片麻痺58歳の女性であった.治療時間は午前9時から午後5時まで,期間は15日間であった.評価は治療初日と治療最終日に日常活動機能尺度(MAL)を用いて行った.CIセラピー終了時のMALの結果は,日常生活の各動作において麻痺側を使用する頻度が高くなり,動作の質の改善も認められた.しかし今回使ったMALは日本語に直訳したもので、その信頼性と妥当性の確認が急務である.また今後本邦においてCIセラピーの効果を検証する必要がある.なお,CIセラピー実施期間中非麻痺側の拘束によって,従来できていた家事が不自由になりストレスとなることに対して,対象者本人の意欲及び家族の協力が重要であり,心理的フオローが必要だと考えられる.
- 東北文化学園大学の論文
- 2005-03-31
著者
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