鶏卵の形状について : II.白色レグホン種および四元交配種の卵型と卵質について
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概要
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WL種38羽,D種43羽の鶏が,産卵開始後365日間に生んだWL卵9,821個,D卵11,425個,計21,246個について卵型を測定した.また産卵開始直後より,4週毎に14回にわたり,卵質および卵内容についての調査も併せ行なった.1.供試したWL種およびD種の初産日令は162.8および158.9日,初産時体重は1.611および1.527kg,平均産卵数は262.4(71.78%)および268.5個(73.33%)であった.2.WL種およびD種の平均卵重は,55.30および59.54gで,両者の間に1%水準での差があった.なお,産卵開始後6カ月間における月別卵重増大量は,WL種2.86g,D種3.53gであり,平均卵重に達するのは両品種共産卵開始後約4カ月であった.3.産卵開始後の日数経過に伴って,長径,短径共に増大するが,卵型係数はWL卵が73〜74.5(平均73.86),D卵は71.5〜72.5(平均72.01)の範囲にあって,ほぼ同じ形で増大した.4.WL卵およびD卵の卵重と長径間には,r=0.858および0.878,卵重と短径間には0.894および0.858のいずれも高い相関があるが,WL卵およびD卵の卵重と卵型係数の間の相関は,r=0.037および0.035で,ほとんど相関が存在しなかった.5.卵型は鶏の個体によって相当の差違がみられるが,同一個体内における変異の幅は小さく,大部分のものは標準偏差±2.1以内であった.6.週令の経過に伴って,卵殻厚,卵白高およびハウユニットは低下するが,卵黄高は48週令(2月)まで漸増して,以後漸減した.7.WLおよびD種卵の卵重と卵殻厚の間には,r=-0.004および-0.051,卵重と卵黄高間には,0.375および0.315,卵重と卵白高間には,-0.083および-0.008,卵重とハウユニット間には,-0.284および-0.173の相関があった.8.週令の経過に伴って,卵黄や卵白重は漸増する傾向にあるが,卵殻重は54週令(4月)以後漸減した.また週令の経過に伴って卵殻の%は漸減し,卵黄の%は漸増した,9.WLおよびD種卵の卵重と卵殻重間にはr=0.564および0.588,卵重と卵黄重の間には0.786および0.840,卵重と卵白重の間には0.838および0.895のいずれも高い相関々係があった. :本研究は村田晃,多田慎吾,谷戸俊雄三君の助力を得,東食デカルブ株式会社より多大の援助を受けて行なったものである.ここに記して厚く感謝の意を表する.なお,要旨は昭和43年度日本家禽学会春季大会において講演した.
- 千葉大学の論文
- 1968-12-31
著者
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