家兎における左右卵巣の排卵頻度について
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概要
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精管結紮兎交配後11, 111/2, 12, 13時間で屠殺した家兎77頭について,左右卵巣の排卵数,生殖器官の長さ,及び卵管をほぼ中央で切断して前部と後部にわけた場合,そのいずれにより多くの卵子を見出し得るか等について調査して次の結果を得た.1)排卵総数688個(1頭当り8.94個)のうち左卵巣からの排卵数は327個(1頭当り4.25個)で右卵巣の排卵数は361個(1頭当り4.69個)であった.また左卵巣の排卵数の多かったもの28頭,右卵巣の多かったもの42頭,左右同数の排卵をしたもの7頭であった.これらいずれの場合も,左右卵巣の排卵数の差は意義ある差ではなく,従って左右卵巣の生理機能に本質的な差違はないものと推測される.2)左側卵巣は長径1.79cm,短径0.73cm,右側卵巣は長径1.97cm,短径0.74cmで,短径には左右に差がないが,長径では右側が大きい.卵管の長さは左側11.82cm,右側12.95cmであり,子宮角の長さは左側9.23cm,右側9.57cmで,卵管,子宮角共に右側が長い.膣長は11.48cmである.3)排卵総数688個の78%に当る537個の卵子を採取し得たが,その中左の卵管から得たものは257個であった.257個のうち前部から採取した卵子は73個,後部から採取した卵子は184個で,後部からが多かった.これに対し右の卵管から採取した卵子は280個であった.280個のうち卵管前部から採取した卵子は156個,卵管後部から採取した卵子は124個で,前部からが僅かに多かった.このことから排卵された卵子は相当速やかに卵管を下って,中央部附近に到達し,暫く滞留するものと推察される.なお採取し得なかった151個の卵子は,恐らくは卵管を切断した中央部附近に存在したために,紛失したのではないかと推測される.
- 1958-12-30
著者
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