実測乳量と簡易検定法による推定乳量との差違について
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概要
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昭和30年から,47年に本学部で飼養した乳牛ホルスタイン種,9頭23例の泌乳記録を検討して,種々の簡易検定法による推定乳量と実測乳量との差について明らかにし,一般に適用し得ると考えられる方法を提示した.1.10カ月(305日)実測乳量と毎月法I,II,IIIによる推定乳量との差(絶対値)±標準偏差は,1.90±1.20%,1.03±0.86%,1.32±0.91%であり,隔月法I,II,IIIでは,4.60±3.37%,3.36±2.17%,2.45±2.26%であった.比較のために用いた5回法Bおよび旧毎月法Iは,1.64±1.68%および1.75±1.39%で,毎月法Iに匹敵するが,5回法Aおよび旧毎月法IIの差はより大であった.2.1カ年(365日)乳量における毎月法I,II,IIIの差(絶対値)±標準偏差は,1.55±1.37%,0.85±0.62%,1.35±0.94%であり,隔月法I,II,IIIは4.90±2.89%,2.85±2.13%,2.25±2.09%であった.3.上記のように,毎月法IIは,全例が差±3%以内にあり,最も優れているが(他の多くの方法に対し,p<0.01または0.05),この方法を用いて,産次,分娩季節,分娩間隔,泌乳能力別の諸要因によって,差が左右されるかどうかを検討したところ,特に影響があるようには見えなかった.4.学外の乳牛11例に毎月法を適用したところ,I,II,III法による差(絶対値)は,10カ月乳量において1.66,1.43,1.80%,1カ年乳量で1.25,1.34,1.80%であり,本学部の乳牛の場合とほぼ同様の成績が得られた.5.以上の結果から,毎月法,特にII法(分娩当日を0日,分娩後2週の日を第1回測定日とし,以後毎月同一日を測定日とする)は,乳量の簡易検定法として,一般に適用し得る可能性を有しているものと考えられる.本研究の概要は,昭和47年10月,日本畜産学会関東支部会において発表した.
- 1972-12-25
著者
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