日本産菌寄生ラン科の新種,モイワラン(Cremastra aphylla)
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概要
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青森県下北半島で発見されたラン科サイハイラン属の1新種,モイワランCremastra aphylla Yukawaを記載する。本種は菌寄生に強くシフトした生活史を展開し,まったく普通葉を生じないこと(木下哲夫,私信),そして花被片の開度が小さいことで,同属の他のすべての種から区別される。花の構造は,ヒマラヤから台湾にかけて分布するCremastra appendiculata (D. Don) Makino var. appendiculataに酷似するものの,花色が褐色を帯びた赤紫であること,花序あたりの花数が少ないことが異なる。一方,日本のサイハイランCremastra appendiculata (D. Don) Makino var. variabilis (Blume) I. Lundからは,蘂柱先端より少し下の腹側に見られる翼がないこと,唇弁基部先端の突起が平滑でなく皺〜いぼ状になること,花色が褐色を帯びた赤紫であること,花序あたりの花数が少ないことで,よく区別できる。
- 国立科学博物館の論文
- 1999-12-25
著者
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