胆嚢病変の超音波診断に関する臨床的研究(第2報) : 胆嚢癌症例について
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概要
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組織学的に確定された胆嚢癌26例の超音波像を検討した。初回検査で65%,retrospectiveには81%が診断可能であった。診断可能例21例のUS像を3型(内腔突出型,充実型,壁肥厚型)に分類し診断能を検討すると,III型の壁肥厚型の診断が最も困難であった。切除例に限るとSensitivity 60%,Specificity 96%であった。結石合併の有無では合併例で69%,非合併例で100%が診断可能で,結石の有無がその診断に影響した。false negative例についてみると平坦型胆嚢癌に対してUSは無力で,しかも隆起型病変についてはその存在位置により診断能に差を認め,とくに胆嚢底部病変の診断が困難であった。false positive例では胆石症に随伴した慢性胆嚢炎が最も問題となった。胆嚢癌US像の間接所見として肝内腫瘤像を認めた症例が最も多く,この所見の有無が治療方針の決定も含めて重要と考えられた。
- 北里大学の論文
- 1986-10-31
著者
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