胆嚢病変の超音波診断に関する臨床的研究(第1報) : 各種胆嚢疾患について
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概要
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胆石症,胆嚢内隆起性病変など胆嚢良性疾患を中心に切除例399例を対象として,超音波診断法の評価を行った。胆嚢結石では97.2%,総胆管結石では40%の診断率であった。胆嚢結石誤診例は5mm以下の結石頸部嵌頓例が主で,総胆管結石では8mm未満のUS胆管径を示す例および結石径が10mm未満の例において診断率は不良であった。また胆嚢結石のUS像を6型に分類し胆道造影所見と対比した。結石頸部嵌頓様所見として示されるII型,結石充満が考えられるIV型,高度の慢性胆嚢炎が疑われるV型で胆嚢造影陰性例を多く認めた。同様に胆嚢腫大,壁肥厚および胆嚢内Debrisなどの各所見も陰性例に多く,胆嚢造影所見との関連性が示唆された。胆嚢内隆起性病変では多発する5mm以下の胆嚢腺腫の一部に癌を認めた症例,US最大径が20mmを示したコレステロールポリープなどがあり大きさだけからの質的診断に問題の残る結果となった。
- 北里大学の論文
- 1986-10-31
著者
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