沖縄における小地域の福祉力形成の課題 : 小地域福祉推進組織、地域ボランティアを中心に
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概要
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本稿は2001年11月に沖縄県社会福祉協議会の協力を得て実施した「字・自治会を単位とした小地域福祉活動に関するアンケート調査」、市町村社会福祉協議会の協力を得て実施した「地域ボランティア意識調査」を基に、小地域福祉推進組織と地域ボランティアの分析を通して沖縄における小地域の福祉力形成の課題について考察したものである。沖縄の小地域福祉活動は、ほとんどが字 (自治) 公民館を拠点に展開されている。そのため、推進組織の会長も自治会長が半数程度を占め、自治会との関係が強い組織となっている。この種の組織は自治会活動が活発で自治会が福祉活動に熱心であれば、小地域福祉活動も活発になるが、そうでないと社会福祉施設等の見学や敬老会等の年間行事をこなすだけの組織に終わってしまいかねない。推進組織における福祉委員会等の会議の開催回数をみると、月に1回程度が最も多く、2割程度は年間1回も開催されていない。小地域福祉活動を支える、地域ボランティアの参加動機を中心に、小地域福祉活動の主体形成について検討した。参加動機として最も多いのは「自分たちの地域を住みよい地域にしたい」ということであった。このような参加動機の分析を通して、小地域福祉活動の実践主体としての沖縄の地域ボランティアの姿を示した。そして、沖縄の小地域の福祉力形成の課題として、(1)小地域福祉推進組織、(2)推進組織のリーダー、(3)地域ボランティア、(4)行政や社協の役割とパートナーシップについて考察した。小地域の福祉力形成のためには、小地域福祉推進組織、小地域ネットワーク等の小地域福祉活動、地域ボランティアが地域の福祉問題に即して対応できるように機能し、それをフォーマル、インフォーマルな地域総合支援システムがしっかりと支えていく必要がある。
- 2004-03-01
著者
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