ソーシャルスキル・トレーニングを必要とするLD(学習障害)児への対応 : 状況の理解を促す指導実践を通して
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概要
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本研究では、状況の理解が困難でソーシャルスキル・トレーニングを必要とする小学2年生のLDと診断された男児への対応について検証した。これまでのソーシャルスキル・トレーニングにおいて取り組まれてきた「認知・社会的学習モデル」と「対人間認知的問題解決モデル」を参照しながら、状況の理解を促し、適切な行動が図れるスキルを獲得させることを目的とした指導を試みた。一日の流れをパネルにして自己の行動の見通しを立てさせる課題や認知発達教材を利用してその場に合った会話(ことば)の認識を促す課題、そして、ロールプレインを通した状況の理解とその状況に合ったことばの選択を促す課題を実施した。結果として、指導を展開した教室内においては、対象児の行動に積極性、その状況でのことばの選択に改善が見られたが、多集団の中での社会的行動に十分な般化が見られなかった。ソーシャルスキルのアセスメントや「文脈論モデル」を考慮に入れた指導法の工夫が必要であることが課題として残された。
- 2000-03-31
著者
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大城 政之
Kitaoka Ele. School
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平田 永哲
Faculty of Education, Univ. of the Ryukyus
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平田 永哲
Faculty Of Education Univ. Of The Ryukyus
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