n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取が血中の各脂質画分の脂肪酸組成に与える影響

概要

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若年女性30名の連続7日間の通常食事中の脂肪酸量を実測し, 血液中の各脂質画分の脂肪酸組成に与える影響について検討した。1. 対象者のn-3系PUFA総摂取量の1日当たりの平均値 (±標準偏差) は1, 256±562mgであり, うちLNA 876±462mg, EPA 123±173mg, DPA 50±31mg, DHA 199±121mgであった。2. EPA摂取量はいずれの脂質画分中のEPAの占める割合と強い正相関を示した。DHA摂取量は血漿中性脂肪とリン脂質中のDHAの占める割合と正相関を示したが, 血漿コレステロールエステルと赤血球膜リン脂質中のDHAの占める割合との間には相関関係は認められなかった。EPAとDHAではその摂取量と血液中の占める割合との相関関係に違いが認められた。3. LNAの摂取量は血漿中性脂肪中のLNAの占める割合と正相関を示したが, 血漿コレステロールエステル, 血漿と赤血球膜リン脂質中のLNA, およびすべての脂質画分中のn-3系LCPUFAの占める割合との相関関係はみられなかった。以上より, 本研究は, 通常の食生活の脂肪酸摂取レベル内での検討であったが, 食事からn-3系PUFAを摂取することによって血液中の各脂質画分の脂肪酸組成への影響力が明らかに異なっていることが示唆された。
2004-12-01