食肉加工用調味料を使用した鶏もも肉から揚げの食味特性
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概要
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A社およびB社2種の食肉加工用調味料を使用した鶏もも肉から揚げを調製し、その食味特性に関わりのある因子と考えられる水分量、粗脂肪量、肉質の硬さおよび組織の観察を行い、また、官能評価を検討した結果、以下のことが明らかになった。1. 鶏もも肉から揚げを調製する際の重量減少率は、調味料を使用していないから揚げが最も大きく約31%、次いでB社調味料から揚げ約28%、A社調味料から揚げ約24%の順であった。2. 皮と衣を除いた鶏もも肉から揚げの水分含量は調味料を使用していないから揚げが最も低く約64%、次いでA社調味料から揚げ約67%、B社調味料から揚げ約69%の順であった。粗脂肪含量は調味料を使用していないから揚げが最も高く約10%、次いでA社調味料から揚げ約6%、B社調味料から揚げ約5%の順であった。原材料の鶏もも肉 (皮なし) の水分含量は約72%、粗脂肪含量は約7%であった。3. 鶏もも肉から揚げの硬さは、調理後では調味料を使用していないから揚げが約5.5kgで最も硬かった。調理24時間後では、調味料を使用していないから揚げが約4.7kgで最も硬く、A社約3.6kgおよびB社約3.3kgの調味料を使用したから揚げより有意に硬いことが認められた。A社とB社の調味料を使用したから揚げの硬さに顕著な違いは認められなかった。4. 鶏もも肉から揚げの組織観察の結果、A社調味料を使用したから揚げ組織の筋線維は他の2試料と比べて油揚げ後の筋線維の萎縮がほとんど認められなかった。5. A社およびB社調味料を使用したから揚げの2点比較法による官能評価の結果、A社調味料を使用したから揚げは、B社調味料を使用したから揚げより、外観、ジューシー感および総合評価の点で好まれる結果を得た。また、軟らかさにおいてはA社、B社のから揚げの間には全く差が認められずこれは物性測定の結果と一致していた。
- 2001-03-03
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