『知的障害を持つ親への子育て支援研究の動向 : TIM BOOTH & WENDY BOOTH の研究を中心に
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概要
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社会福祉サービスが施設を中心としたサービスから地域社会の資源を利用しながら自立した生活を支援するサービスヘと移行する中、障害者の自立生活をいかに支援していくかが重要課題になっている。その中で、女性障害者は、障害を持っていることと女性であることから社会的差別や抑圧を受けやすく、障害のない者や男性障害者に比べて社会的抑圧や差別にあいやすいため、緊急かつ多方面からの支援が求められている。女性障害者の中には結婚をして子育てをする者も増えてきている。女性にはいつ、どのような間隔で子ども産むかを選択する権利 (リプロダクティブライツ) が権利として保障されているが、親自身が障害をもっている場合の子育てについては社会福祉サービスの中にはとんど見られないため、様々な社会問題に直面している。今回の知的障害を持つ親の子育て支援となると、前例が少ないこともあって援助者もとまどいが多く、また先行研究もほとんどないのが現状である。今、求められていることは、どのような援助原則にそって子育て支援をしていくべきか、研究の第一歩である研究枠組みから考えることである。そこで、本研究では、知的障害を持つ者の子育て支援研究に関する国内外の動向を概観し、その上でこの分野で先駆的に研究活動をしている英国シェフィールド大学元教授のティム・ブース氏とウェンディー・ブース氏の約20年に及ぶ研究を振り返りながら、知的障害を持つ者の子育て支援に関する研究枠組みを分析したい。
- 2004-03-31
著者
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