シテアルとスルーシテイルとの関係について
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概要
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本稿では, シテアルは [+継続性, +結果性, +対象指向性] という性質をもち, シテイルは [+継続性, +結果性, -対象指向性] という性質をもつことを主張する。具体的には, 以下の2点を明らかにし, シテアルは客体結果相と規定できることを指摘する。(1) シテアルの [+継続性, +結果性, +対象指向性] という一般的意味は個々の文脈において《変化の結果の継続》, 《ペルフェクト》の意味へと具体化する。後者は, 行為に関心を集めるある限定された条件 : (i) 働作主顕在化, (ii) 働き時点明示, (iii) 働き量規定, 等の下で働くことから派生的意味であり, 前者は基本的意味である。(2)《ペルフェクト》を表すシテアルは, シテイルと異なり, 意志・勧誘形, 命令形, 願望態等のいわゆる「主観的表現」や受身形, 授受表現と共起できない。ここから《対象指向性》はシテアルのあらゆる個別的意味に潜在的に備わっているといえる。
著者
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