<ORIGINAL ARTICLES>Auditory brain stem response and speech discrimination in patients with auditory nerve disorders
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概要
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聴神経損傷患者における語音弁別力を調べる目的で聴覚検査を実施した。対象はいずれも聴性脳幹反応(ABR)に異常波形がみられ, ABRが無反応な4例とABRの遅い波の消失やI波-V波間の潜時の延長がみられた3例の2群に分けられた。検査結果は次の通りであった。(1)純音聴力検査では, 全例に軽度から中等度の閾値の上昇がみられた。(2)無意味単音節を用いた語音弁別検査では, 全例に正答率の低下が示されたが, ABRの遅い波の消失や潜時の延長がみられた例に比較してABRが無反応な例の方がより低下していた。(3)聴覚的言語理解検査では全例とも正常範囲であった。以上の結果より, 聴神経の損傷は聴覚的言語理解には影響しないが, 無意味単音節のような冗長度の低い言語情報の伝達に影響を及ぼすことが示唆された。
- 県立広島大学の論文
著者
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