1977年有珠山噴火が住民の生活環境および健康に及ぼす影響

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1977年有珠山噴火が地域庄民の生活環境,精神心理的および身体的に如何なる影響をもたらしたかについて調査研究した。対象は降灰が著明で,交通規制がなされた地域住民である。調査は面接法によるアンケート調査,診察,尿および血液生化学的検査である。その結果,1.降灰は1〜80cmで最も著明な地域は洞爺湖温泉町で,避難割合,噴火の危険が最も高った。2.生活環境状況の変化は直接災害要因,交通要因,経済要因,戸外環境要因の順に大きく,地域差も観察された。3.住民の精神状態は安心側に傾いているが洞爺湖温泉町住民は比較的不安の度合が強く,特に,女性に著しかった。4.疲労自覚症では精神症状が最も多く,次いで身体的症状,神経感覚的症状の順であったが,全体的には明らかな疲労状態を観察することが出来なかった。5.有珠山周辺地区住民の疾症の罹患状況は既往症では,呼吸循環器疾患が洞爺湖温泉町に多く,月浦町では循環器および肝臓疾患が多かった。検診時には高血圧症,眼の疾患,腰痛等が多くみられ,自覚症では約30%が災害の影響によることが推測された。6.血液生化学的検査所見は正常範囲内にあるものがほとんどあったが,土木作業員のALADおよび月浦町農民のGPTが有意に低く,また,CHO-Eが対照の更別町農民の値より有意に高い,などの特徴が見られた。
北海道大学の論文
1980-03-28

1977年有珠山噴火が住民の生活環境および健康に及ぼす影響

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