融雪期における雪捨て場の雪質調査 : 水質汚濁防止法からの考察

概要

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本研究は,札幌市五輪大橋雪捨て場における除排雪中のpH,電気伝導度,懸濁物質(SS)濃度,固形物濃度,溶存重金属濃度(銅,亜鉛,鉛,カドミウム,マンガン,鉄,クロム)の雪質を融雪期に経時的に調査した。その結果,以下のことがわかった。(1)pHに関しては経時的変化に明らかな傾向はなく,中性から弱アルカリ性を示すものが多かった。(2)電気伝導度に関しては経時的変化に明らかな傾向はなく,200μS未満の値を示した。(3)懸濁物質濃度と固形物濃度に関しては高濃度の部分において(表層の)濃度が経時的に濃くなっていく現象が観察された。(4)溶存重金属濃度は低く,経時的変化に明らかな傾向は認められなかった。また,本研究では,水質汚濁防止法の排水規制の考え方を雪捨て場から排出される除排雪の管理に適用できるか検討を行ない,適用の際の問題点を明らかにした。また,水質汚濁防止法第29条より,条例によって雪捨て場からの除排雪の排出を管理することが可能であることを示した。さらに,除排雪の処理を,除排雪のもつ性質および除排雪を浄化するための方法を考えた上で考察し以下のことを提唱した。(1)高濃度の環境汚染物質を含む除排雪と低濃度の環境汚染物質を含む除排雪とを分別し別々に処理すること。(2)この除排雪の分別には道路交通量の違いを参考にすること。(3)高濃度の環境汚染物質を含む除排雪は融かして下水処理し,低濃度の環境汚染物質を含む除排雪は雪捨て場で処理すること。(4)雪捨て場から排出される除排雪を管理する際には,河川への負担を考慮する場合,除排雪の総量規制で行なうこと。
北海道大学の論文
1993-03-30

融雪期における雪捨て場の雪質調査 : 水質汚濁防止法からの考察

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