分裂酵母におけるカルシニューリン結合蛋白質Cbp1の機能解析
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概要
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カルシニューリン (CN) は高度に保存されたCa<2+>/カルモデュリン依存性脱リン酸化酸素であり, 免疫抑制薬FK506/CsAの標的分子でもある。分裂酵母において, CN遺伝子を破壊しても致死ではないが, 細胞分裂, Cl^-ホメオスタシスの異常を示す。最近, 真菌において two-hybrid system を用いてCNと結合する新しい蛋白質CBP1が報告された。また, ヒトのCBP1 homolog であるDSCR1が報告され, ダウン症における症状との関連が示唆されている。すべてのCBP1 homolog の遺伝子はSPP×SPPという保存されたペプチド配列を持っている。本論文では, CBP1遺伝子と homology をもつ分裂酵母遺伝子cbp1^+の機能解析について報告する。two-hybrid system を用いて, 分裂酵母のCBP1 homolog とCNの相互作用を確認し, 本遺伝子をcbp1^+, コードする蛋白質をCbp1と名づけた。野生株にCbp1を過剰発現させると細胞形態異常とCl^-超感受性を示した。これらの表現型はCN破壊株の表現型と極めて類似していた。Cbp1^+遺伝子を破壊すると致死ではなかったが, Cl^-感受性を示した。CN破壊株にCbp1を過剰発現させたところ, CN破壊株単独と比してCl^-を含む培地において有意に生育が阻害された。Cbp1蛋白質は明らかな細胞内局在を示さず, 細胞全体に弱い蛍光を認めた。以上の結果から, Cbp1はCNの機能発現にとって重要な機能を果たしている可能性が示唆された。
- 神戸大学の論文
- 2002-03-29
著者
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