免疫抑制薬感受性と温度感受性を示す分裂酵母its5変異体の単離と解析
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概要
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カルシニューリンは真核生物すべてに存在するCa^<2+>/カルモデュリン依存性脱リン酸化酵素であり, 免疫抑制薬FK506/シクロスポリンの標的分子でもある。分裂酵母において, カルシニューリン遺伝子を破壊しても致死ではないが, 細胞質分裂・Cl^-ホメオスタシスの異常をきたすことが明にかになっている。我々は, カルシニューリンの生理機能を明らかにする目的で, 免疫抑制薬感受性かつ温度感受性を示す its (immunosuppressant-and temperature-sensitive) 変異体を単離した。ここでは, its5変異体の単離と機能解析について報告する。its5^+遺伝子は, 細胞内輸送に関与する低分子量G蛋白質である Rab ファミリーの一員であるYpt3をコードしていた。its5変異体は, 著しい細胞質分裂異常と, cell wall integrity の異常を示した。GFP-lts5蛋白質は, 細胞質内の班状構造に加えて, 細胞成長端・収縮環形成部位にアクチンと近接して局在することが明らかになった。さらに, its5変異体は, 制限温度下あるいはFK506添加により著しいアクチン分布の異常を示した。以上の結果から, 分裂酵母において, カルシニューリンとYpt3/lts5が協同的に細胞質分裂, アクチン細胞骨格系・cell wall integrity の維持等の細胞機能に関与していることが示唆された。
- 2000-03-31
著者
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杉浦 麗子
神戸大学医学部薬理学教室
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呂 亜濱
神戸大・院医・ゲノム科学
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杉浦 麗子
近畿大学薬学部分子医療薬科学研究室
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呉 文蓮
神戸大学医学部薬理学教室
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張 英杰
神戸大学医学部薬理学教室
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呂 亜濱
神戸大学医学部薬理学教室
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