カルシニューリン欠損を相補する新規RNA結合蛋白質の単離と機能解析
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概要
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カルシニューリン (CN) は高度に保存されたCa^<2+>/カルモデュリン依存性脱リン酸化酸素であり, 免疫抑制薬FK506/シクロスポリンの標的分子でもある。分裂酵母において, CN遺伝子を破壊しても致死ではないが, 細胞質分裂・CI^-ホメオスタシスの異常を示す。我々は, CN遺伝子破壊株のCI^-超過感受性を指標にしたスクリーニングを行い, 過剰発現することにより, CN欠損を相補することの出来る遺伝子 (多コピー抑圧遺伝子) を単離した。既に報告された pmp 1^+, pek1^+以外に, RNA結合蛋白質をコードする新規遺伝子msc1^+ (multicopy suppressor of calcineurin deletion) を取得した。msc1^+遺伝子はRNA結合領域であるKHドメインを3個有し, ヒトから酵母まで高度に保存されていた。msc1^+遺伝子を過剰発現するとCN破壊株の示すCI^-超感受性が部分的に抑圧される。msc1^+遺伝子を破壊しても通常の増殖に影響は認めないが, msc1+遺伝子とCN遺伝子を同時に破壊するとCN破壊株の示すCI^-超過感受性と細胞質分裂異常が増悪する。以上の結果から, Msc1蛋白質はCNと協同的に機能する分子を標的とし, mRNAの安定性を高めることにより, CN欠損を抑圧している可能性が示唆された。
- 神戸大学の論文
- 2001-12-20
著者
-
喜多 綾子
神戸大学大学院医学系研究科ゲノム科学講座分子薬理・薬理ゲノム学分野
-
喜多 綾子
神戸大学 医・ゲノム科学分子薬理・薬理ゲノム学
-
杉浦 麗子
神戸大学医学部薬理学教室
-
前川 勝英
神戸大学医学部薬理学教室
-
喜多 綾子
神戸大学医学部薬理学教室
-
伊藤 優美
神戸大学医学部薬理学教室
-
杉浦 麗子
近畿大学薬学部
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