モデル生物 : 酵母ゲノミクスを用いた drug discovery
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概要
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ここ数年間各種生物のゲノムシークエンスプロジェクトが進行し,多くの生物種のゲノムの全構造が次々と明らかにされている.この成果を生かした遺伝子機能の網羅的解析により,生命現象を理解することを目的にしたいわゆるポストゲノム研究に入り,比較的早い時期に全塩基配列決定が終了した酵母,線虫,ショウジョウバエなどの生物は,高等生物のモデルとして,医学,薬学および生命科学の分野で大きな役割を果たすようになってきた.中でも酵母は,強力な遺伝学的解析と組み合わせた膨大なゲノミクス情報が得られ,酵母ホモログが存在するような高等動物の遺伝子機能解析に有力な情報を提供している.近年ゲノム創薬に酵母ゲノミクスを応用することにより,ハイスループットスクリーニングなどの網羅的な遺伝子機能解析により,薬物の作用様式や標的分子あるいは経路に関する新たな情報が蓄積しつつある.本稿では創薬研究における酵母ゲノミクスの活用について,具体的な例を挙げてモデル生物としての酵母の役割について述べたい.
- 2005-04-01
著者
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杉浦 麗子
神戸大学医学部薬理学教室
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春藤 久人
神戸大学医学部保健学科
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杉浦 麗子
近畿大学薬学部分子医療薬科学研究室
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久野 高義
神戸大学大学院医学系研究科医科学専攻ゲノム科学講座分子薬理・薬理ゲノム学分野
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杉浦 麗子
近畿大学薬学部
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