高齢者のスポーツにおける運動の効果 : 運動に対する意識の変容と大腰筋量の変化を中心にして
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概要
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高齢者における運動の実践による体力の改善は, 生活の質 (QOL) や日常生活動作 (ADL) を高い状態で維持するために必要不可欠である. しかし, 運動に対する正しい知識の理解や, 個人では運動の継続性が低くなるなどの問題も考えられ, 近年では高齢者を対象に運動教室が各地で開催されている. そこで著者らはS県健康福祉部/(財) S健康長寿財団の高齢者運動研究事業における「大腰筋体操効果測定業務」の一環として運動実践指導を行い, その前後で大腰筋量の計測から高齢者における運動の効果を検討した. 運動実践については「高齢者スポーツ教室」として身体運動に関する基礎理論の講義を含み有酸素運動・筋力運動・コンディショニング運動などの実技指導を行った. また, 体力年齢測定及びアンケート調査によって運動習慣, 運動に対する興味・意識の変容についても検討した. その結果, 教室参加後で肯定的な回答が多く見られた. さらに5つの基礎体力項目 (バランス, 敏捷性, 跳躍力, 腹筋力, 柔軟性) を測定した体力年齢では, 平均47.9±33歳であり実年齢平均66.9±5.1歳に対し約20歳も有意に若い (p<0.01) ことが伺えた. このことから高齢者でも運動を通じて体力年齢を若く保つことが可能であると考えられる. 高齢者が自立した生活の基盤となる下肢と体幹の筋量 (大腰筋) のCT撮影 (I病院協力提供) では, 左右の大腰筋長径及び短径ともに有意な増加 (p<0.01) を認め運動による効果が明確となった.
- 2005-03-31
著者
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