高齢化と財政の弾力性について : 北海道市町村のクロス・セッション・データに基づく分析
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概要
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近年、地方財政の弾力性を示す経常収支比率や公債費負担比率が急速に上昇してきており、地方財政の健全化が喫緊の課題として指摘される一方で、地方公共団体の高齢化の進展には著しいものがあり、そのこと故に、高齢化対策が地方財政の健全化対策として論じられることが多い。そこには、高齢人口の増大と財政赤字の拡大とが時系列的趨勢として「相関関係」にあることに注目して、両者の関係を前者から後者への必然的な「因果関係」として捉える思考がある。本稿では、このような時系列的な推論をクロス・セクション分析で検証を試みている。平成10年度における北海道全市町村のクロス・セクション・データによれば北海道の高齢化率と財政指標との間には時系列でみられるような明白な相関をみいだすことはできない。したがって現在の財政逼迫を高齢社会の必然的な結果であると簡単に結論づけることに対して注意を喚起している。
- 北海道大学の論文
- 2001-09-11
著者
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