相対的危険回避度と所得効果
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概要
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伝統的経済理論では市場メカニズムによって資源配分の調整が安定的に行われることになっている。この市場メカニズムの調整機能で重要な役割を果たしているのが財や要素の間での代替関係である。代替性が支配する安定的な経済システムでは定常均衡が一般に成立する。ただし、定常均衡では経済システムの成長や循環を説明することが出来ない。周知のように、 Solow は技術進歩を外生的に導入することによって、定常均衡のシフトを考案した。これとは別に、内生的成長モデルでは、生産技術における要素間の代替性に代えて補完性を強調することによって、非定常均衡つまり均衡成長動学モデルを考案した。また、内生的景気循環モデルでは、代替効果に比して所得効果が大きいことを強調することによって、非定常均衡つまり均衡の循環的変動を考案している。本稿では、以上の内容を簡単にサーベイした上で、相対的危険回避度一定の効用関数を用いて、相対的危険回避度係数の大きさと所得効果・代替効果との大小関係の対応について分析を試みている。
- 北海道大学の論文
- 2005-03-10
著者
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