明治前期民事判決にみる肥料経済 (2)
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概要
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明治10年代に,東京府南葛飾郡在住のくみ取り人が本所区在住の地主を相手どって東京裁判所に訴えでた民事訴訟が起こっていた。この事件は第一審で原告側くみ取り人が勝訴したものの,その判決に不服な被告側地主が控訴した第二審では逆転敗訴となったため,さらに上告したが,第三審で敗訴が最終的に確定したのであった。訴訟の前提となる事実関係を再構築したうえで,裁判の進行過程を復元しつつ,訴訟当事者の利害状況を明らかにしようとした。くみ取り人は下掃除代を差配人に前払いしていた。その差配人が地主に罷免され,その地主的所有地には別のくみ取り人が来るようになり,元のくみ取り人は代金を取り戻せないまま,その地主的所有地から排除されたらしく,約束が違うと地主を訴えたのであった。下掃除代を交換価値とする肥料の交換が行われており,訴訟当事者には譲りがたい利害対立が醸成されていったのだった。こうしたことを追究しようとした。
- 北海道大学の論文
- 2006-06-08
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