ロールシャッハ検査法における阪大法と包括システムの比較(I) : システムを構成する要素に関する基礎的考察
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概要
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本稿は,ロールシャッハ検査法における包括システムと大阪大学式システム(阪大法)との比較を通じ,ロールシャッハ学の新たな展開を模索するものである。第1報として,包括システムの提唱者であるExner, J. E.と,阪大法の指導者的立場にある辻悟の所説を援用しながら,ロールシャッハ検査法に対する両者のスタンスを比較検討した。両者の共通点として,無意識等の力動的概念を用いずにロールシャッハ検査法を位置づけていること,同検査のもつ形式性(das Formale)を重視していることなどを指摘した。いっぽう,尺度法的観点に基づき同一スコアを等価と見なす包括システムと,臨床実践の中で体系化されてきた阪大法との間に,スコアに対する基本的姿勢に相違が見られることも指摘した。情報という観点から,両システムが拾っている情報に加えて,捨てている情報についての視点をもつことの意義を指摘した。
- 大阪教育大学の論文
- 2005-09-30
著者
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