非行からの少年の立ち直りに関する生涯発達的研究(V) : 非行から立ち直った人への面接調査から
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概要
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非行の原因に関する研究は多いが,立ち直りの研究は少ない。非行経験のある多数の少年は矯正機関とかかわることなしに立ち直っている。このことを考えると,社会内に立ち直りを促進する要因があると考えられる。本研究は,立ち直りには「援助者との出会い」が必要であり,出会いのためには少年の心理的な特性として「ひたむきに物事に取り組む力」と「抑うつに耐える力」の成熟が求められると考える。この仮説を実証するため,非行から立ち直った2名に対する面接調査を実施した。その結果,親との出会い直しが必要であるが,そのためには親以外の大人による援助が重要なきっかけとなっていることがわかった。また,「ひたむきに物事に取り組む力」と「抑うつに耐える力」は仮説を支持したが,どちらか一方でもよった。仮説は部分的に支持され,さらなる解明は今後の課題とされた。
- 2005-09-30
著者
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白井 利明
実践学校教育講座
-
柏尾 眞津子
大阪少年鑑別所
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柏尾 眞津子
大阪国際大学人間科学部
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河野 荘子
名古屋大学
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福田 研次
大阪家庭裁判所岸和田支部
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岡本 英生
京都拘置所
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近藤 淳哉
大阪刑務所
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栃尾 順子
大阪府スクールカウンセラー
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小玉 彰二
大阪府中央子ども家庭センター
-
小玉 彰二
大阪少年鑑別所
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