非行少年が成人犯罪者となるリスク要因に関する研究(III 研究ノート)
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概要
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非行少年の大部分は少年のうちに犯罪から遠ざかるが,一部の者は成人後も犯罪を続ける.しかも,予後が悪くなるという兆候は少年時のうちにすでに見られるようである.しかし,どのような要因から成人後も犯罪を続けるのかということについての実証的研究は少ない.そこで,本研究では,少年鑑別所に入所した少年のデータを用いて成人後の再犯リスク要因を検討するひとつの試みを行う.被験者137人(男子)について,従属変数として受刑の有無,独立変数として初回少年鑑別所入所時のデータを用い,ロジスティック回帰分析を行った.結果として,母親と同居していないこと,無職であること,少年鑑別所入所年齢が低いこと,そして少年院送致もしくは教護院送致の処分を受けたことが,リスク要因として見出せた.結論としては,早期における犯罪への強い傾向や社会的きずなの弱さが将来受刑するかどうかに大きく影響することが分かった.
- 日本犯罪社会学会の論文
- 2002-10-26
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