生米におけるBacillus cereusの汚染実態と米飯での増殖
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概要
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B.cereus「嘔吐型」食中毒と,原因食のほとんどを占める米飯との因果関係を明らかにする基礎的な資料を得る目的で,生米における本菌の汚染実態調査と,米飯における増殖試験を行った.1)生米121検体のうち,76検体(62.8%)からB.cereusが検出され,生米が本菌によって広く汚染を受けているという結果となった.生米1gあたりのB.cereus菌数は10^1〜10^2であった.2)分離したB.cereus76株について生化学性状を調べ,生物型分類を行ったところ,食中毒原性の疑われる生物型6型と7型については,7型に分類されたものが1株のみで,6型はなかった.従って,生米を汚染しているB.cereusが食中毒を惹き起こす危険性は低いものと推察された.13)生物型の異なる3種(1型,2型,6型)のB.cereusの米飯での増殖試験を行ったが,食中毒原性の疑われる6型の増殖がやや低かった.これはデンプン水解性の有無による差と推察された.
- 名古屋文理大学短期大学部の論文
- 1988-04-01
著者
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