「物性心理学」による現代文明・文化論 : 心理材質論的人間学の試み(その2)
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概要
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著者の唱える「物性心理学」によると、現代のさまざまな心理学的な現象の背景に、われわれが日常使用する衣食住の生活用品の材質からくる特性の反映があることを指摘した。特に、多用されている「プラスチック樹脂」の製造過程や廃棄処分に伴い溶け出す「環境ホルモン」の影響により、現出すると推測されている性別未分化症候群としての「性同一性障害」や「同性愛志向」、あるいは、軽度発達障害や自律神経失調症等の「化学物質過敏症」が憂慮されている。それは「プラスチック心性」と名づけた本来の自然性が損なわれた「〜もどき」のまがいものや生理学的な内分泌撹乱の為せる業の帰結であると考えられる。奇しくも化学合成の産出物が「心理材質論」を裏づける人間模様を染め出していることがわかったのである。もうすでに手遅れのきらいがあるが、少しでも自然に回帰するべく、「グリーンケミストリー」になじむ草や木の材質を取り込むところから醸し出される、「木の性格」や「木質心性」への環境復活が早急に求められると言えよう。
- 2006-01-31
著者
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