新たに得られた同地基準標本にもとづくイソコモリグモの知見
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イソコモリグモ[Lycosa ishikariana (S. SAITO)]は, 砂浜に生息する大型のコモリグモである。このクモは, おもに鳥取県から北海道にいたる日本海沿岸の砂浜に分布し, 太平洋側では, 北海道と青森県のみから知られている。本種はSAITO(1934)によって, 北海道石狩を基凖産地として記載されたものであるが, 雌2頭による基凖標本の所在は不明で, 失われたものと考えられている。 1987年6月, 支笏洞爺国立公園および石狩海岸で行ったクモ類調査の折, 筆者らは, 石狩海岸においてイソコモリグモを数頭得ることができた。これは, 原記載以来50年ぶりに基凖産地で再発見されたものとして, きわめて貴重な記録である。今回採集された標本を形態学的に研究し, 雌雄生殖器の細部の形態を初めて記載, 図示した。また, 本州産の標本と比較したところ, 鳥取産の雌1個体は顕著な変異を示した。
- 国立科学博物館の論文
著者
関連論文
- 阿武隈山を中山とする地域の自然史科学的総合研究
- 阿武隈山地東縁の相馬中村層群のジュラ紀砂岩
- 相模灘およびその沿岸域における動植物相の経時的比較に基づく環境変遷の解明 : III.沿岸の生物および土壌
- 相模灘およびその沿岸域における動植物相の経時的比較に基づく環境変遷の解明 : II.海洋生物(動物(節足動物〜脊索動物))
- 相模灘およびその沿岸域における動植物相の経時的比較に基づく環境変遷の解明 : I.海洋生物(褐藻および動物(海綿動物〜環形動物))
- 中国地方西部および九州地方北部を中心とする地域の自然史科学的総合研究
- 中国地方西部および九州地方北部を中心とする地域の自然史科学的総合研究 : 実施の目的と平成8年度調査研究の成果
- 九州産ヤチグモ亜科の2新種および1シノニム
- 日本産アシダカグモ科, I.ミナミアシダカグモ属(新称), アシダカグモ属, コアシダカグモ属(新称)の4新種の記載および既知種についての知見(クモ目:アシダカグモ科:ツユグモ亜科およびアシダカグモ亜科)
- 常盤松御用邸(東京都渋谷区)の庭園のクモ
- 皇居の庭園と濠のクモ : モニタリング調査(2001-2005)の結果
- 相模灘沿岸地域の海浜性クモ類
- 赤坂御用地(東京都港区)の庭園のクモ
- 伊豆諸島のクモ類
- 自然教育園のクモ類
- 皇居の庭園と濠のクモ
- キムラグモ亜科(クモ目, ハラフシグモ亜目, ハラフシグモ科)のクモ類の動物地理学的および分類学的知見
- 『都市化とダニ-コンクリート建造物のコケに生息するササラダニ類』, 青木淳一著, 2000年, B5判, xvi+188ページ(うち40ページはカラー), 東海大学出版会
- 9. キムラグモ類(クモ綱クモ目ハラフシグモ科)の分布と多様性(日本動物分類学会第34回大会)
- 九州地方のキムラグモ屬(クモ目, ハラフシグモ科)のクモ類
- 新たに得られた同地基準標本にもとづくイソコモリグモの知見
- 日本産ホウシグモ属(クモ目, ホウシグモ科)の検討
- ベトナム産キムラグモ属(クモ目 : ハラフシグモ科)の1新種
- 琉球諸島産ハラフシグモ科およびカニグモ科(クモ目)の2新種
- 日本産ワシグモ科の1種にみられた単眼の奇形
- センショウグモ科およびカニグモ科 (クモ目)の韓国産2種の日本からの記録
- 日本におけるハイイロゴケグモ(クモ目 : ヒメグモ科)の記録
- 日本産フクログモ科およびカニグモ科(クモ目)のクモ3種
- 福島県のクモ類相
- 北海道東部から得られたフクログモ属(クモ目フクログモ科)のクモ類
- 北海道北端地域のクモ類の記録およびクナシリナミハグモ(クモ目ナミハグモ科)の覚え書と図解
- 北海道北端地域のクモ類
- 奄美大島に生息するアマミキムラグモ(クモ目, ハラフシグモ亜目)の分類学的検討
- 能登半島および石川県南部のフクログモ科, ワシグモ科ならびにカニグモ科のクモ類
- 日本産ハナグモ属の1新種(真正クモ目:カニグモ科)
- 本州産ヤマヤチグモ属の2新種
- 中国海南島産のエビスグモ属(クモ目 : カニグモ科)の1新種
- イランのカニグモ科およびエビグモ科(クモ綱 : クモ目)