腸管出血性大腸菌経口感染マウスに誘導される腸管内特異免疫応答
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概要
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腸管粘膜感染菌である腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli、EHEC)O157:H7の経口感染マウスを用い、粘膜免疫応答の誘導機構の解析を行った。特異抗体は、EHEC O157:H7菌体(Whole cell)を抗原とした酵素免疫測定法(Filtration ELISA)を用い、菌体表面に対する抗体価として評価した。EHEC野生株をICRマウスに経胃接種した場合、本菌は盲腸上皮細胞に接着して4週間以上定着し、接種4週後の糞便中にEHEC菌体に対するIgA抗体の著明な上昇がみられた。一方、EHECの上皮細胞への接着に関わる因子の遺伝子を変異させた菌株はマウス腸管への定着性を示さず、糞便中IgA抗体の誘導もみられなかった。変異株は繰り返し接種しても血中抗体は誘導されるものの糞便中IgA抗体は誘導されなかった。さらに、マウスを抗生物質処置することによって変異株を腸管内に長期定着させた場合も、糞便中IgA抗体は誘導されなかった。以上のように、EHECの上皮細胞への接着は全身性免疫応答の誘導には必ずしも必要ではないが、粘膜免疫応答の誘導には必須であることが示された。
- 岐阜薬科大学の論文
- 2004-06-30
著者
-
森 裕志
岐阜薬科大学薬理学教室
-
永野 恵司
愛知学院大歯微生物
-
森 裕志
岐阜薬大
-
森 裕志
岐阜薬科大学微生物学教室
-
横山 慎一郎
岐阜薬科大学微生物学教室
-
永野 恵司
愛知学院大学歯学部微生物学教室
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