<総説>腸管出血性大腸菌
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概要
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1977年にベロ細胞傷害性の毒素を産生する大腸菌の存在が報告され, 1982年に米国でベロ毒素産生大腸菌(VTEC)による食中毒が発生してこの菌のヒトにおける病原性が確認された。その後, 世界各地でこの菌による食中毒が報告され, 最近ではその散発的あるいは集団発生が日本各地で報告されている。腸管出血性大腸菌ともいわれるこの菌による感染症の症状としては出血性の下痢と, 続発する溶血性尿毒症症候群および中枢神経系異常が挙げられる。VTECによる発症の過程は, 1)大腸菌が腸管壁に付着し, コロニーを形成して増殖する, 2)ベロ毒素を産生・遊離する, ついで, 3)ベロ毒素が局所的に腸管上皮細胞を傷害し, 全身的には腎細胞傷害, 溶血, 中枢神経系障害を引き起こすの各ステップがある。さらに, 腸管ではattaching and effacing lesionといわれる腸管上皮細胞の病変が観察され, これにはベロ毒素以外にいくつかの因子が関与する。本稿では主としてVTECのビルレンスに関する因子について最近の知見を紹介する。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1997-06-30
著者
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