腹腔内マクロファージの活性化を指標とした自然免疫能の評価法
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概要
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自然免疫能の評価を行うための測定系を開発する目的で、ラット腹腔内にビーズを投与し、腹腔内マクロファージを遊出させ、その機能の解析を行った。腹腔内に蛍光ラテックスビーズ、および磁気ビーズを投与した後、時間的な経過をおってシリコンコーティングしたガラス試験管に腹腔滲出細胞を回収し、それらをPE標識抗ラットMHC class II抗体で反応させ、flowcytometer (FCM)で2 color解析を行った。またRT-PCR法を用いてマクロファージ由来のサイトカイン、COX-2、iNOS遺伝子の発現も観察した。ビーズを投与した4時間、および6時間後に回収した腹腔内マクロファージでは貪食が認められなかったが、18時間後には認められ、FCMの2 color解析ではMHC class II分子の発現も認められた。RT-PCRによるサイトカイン、COX-2、iNOS遺伝子の発現も同様の結果が得られた。このように蛍光ビーズの腹腔内投与により、自然免疫能の評価の1つとしての機能の解析を行うことが可能であると考えられる。
- 2004-03-31
著者
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栗林 恒一
関西鍼灸大学免疫・病理学教室
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栗林 恒一
関西医療大学免疫・病理学教室
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栗林 恒一
関西鍼灸大学免疫・病理
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栗林 恒一
関西医療学園専門学校 東洋医療学科
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松尾 貴子
関西鍼灸大学
-
笠原 由紀
関西鍼灸大学 免疫・病理学
-
笠原 由紀
関西医療大学免疫・病理学教室
-
松尾 貴子
関西鍼灸大学免疫・病理学
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