完全雇用とノルウェー労働市場
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概要
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本論文は完全雇用を達成してきたノルウェー労働市場を概観し、完全雇用を実現させたノルウェーの賃金決定システム及び労働市場政策について検証している。ノルウェーにおける賃金決定は、第2時世界大戦以後一貫して全国レベルでの労使間賃金交渉によって特徴付けられてきたが、近年は地域レベル或いは産業レベルの交渉へと移行している。その結果、労働者間の賃金格差が拡大している。また1980年代後半の景気後退移行、ノルウェーでは雇用政策の重点を受動的労働市場政策(passive labour market programmes) から積極的労働市場政策(active labour market programmes) へと移しており、これが雇用の増大、失業の減少、延いては「完全雇用の維持」に大きく貢献してきた。さらに、ノルウェーの基幹産業である石油や天然ガスから得られる巨額の収益がノルウェーの完全雇用の実現に大きく寄与してきたことについても本論文は考察を加えている。
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