中国の二重労働経済と経済発展
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概要
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近年、中国において農村から都市への労働移動が増加し続けている。その要因として、経済格差の拡大、農村での過剰労働力の存在、政策の転換、拝金主義の浸透などがある。都市・農村間の労働移動は、都市・農村間の経済格差の縮小や農村における過剰労働力による経済的・政治的圧力の緩和などに貢献している。しかし同時に、治安の悪化、エネルギー不足、都市社会インフラ不足といった負の影響も及ぼしている。中国政府はこういった弊害を懸念し、人口移動を抑制する政策をこれまでとってきた。本論文は経済学的な視点から、政府が行う労働移動抑制政策がどのようなマクロ経済効果を有するのかについて分析を行っている。理論モデルを用いた分析から、労働移動抑制政策の強化が必ずしも都市の失業を減少させる方向に導くわけではなく、かえって都市の失業率を上昇させることを示している。
- 名古屋商科大学の論文
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