女性総合職実態調査
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概要
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男女雇用機会均等法の成立を機に,これまで男性だけを基幹労働者として雇用慣行を確立してきた日本企業が,女性を基幹労働者(総合職)として雇用するようになってきた。しかし,最近総合職女性の退職者が多いと言われる。それは何故か。女性が基幹労働者として働くにあたっての障害や問題点は何か。これらを知ることを目的に,実際に基幹労働者として働いている女性と基幹労働者として入社したものの退職を選んだ女性の合計32名にインタビューを行った。主な面接者の声は次の通りであった。男性上司,取引先男性が女性を嫌がるなどにより,配属ポストが限定されている。男性と同等の仕事をさせてもらえず,一般職が行う補助的業務,コピー取り,お茶汲みなどを行っている。総合戦女性と一般職女性の業務の差が明確でないために,一般職女性との間にあつれきが生じやすい。男性と同等の配置転換を受けられない,海外赴任・留学が許可されないなど,人事部の女性活用の方針が明確でない。企業が社内結婚退職の慣行を残しており,総合職女性に対しても適用している。周囲の理解がない,保育所が充実していない等のため,育児をしながら勤め続けるのは難しい。仕事そのものにやりかい,面白さを感じているが,一方で自分の時間,家庭生活をも大切にし,仕事だけに偏らない生活を望んでいる。
- 慶應義塾大学の論文
- 1994-12-25
著者
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