欧米経営技法の導入 : 昭和30年代生産性運動に見る
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概要
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日本企業はこれまで何度となく欧米の経営技法を学んできた。にもかかわらず,何故日本企業の経営は欧米のそれと異なるのか。本稿では,その鍵となる昭和30年に始まった生産性運動,特に海外視察団に参加した当時の経営者や技術者が何を習得し,何を考えていたのかを検討した。その結果,日本企業の経営者は欧米諸国の経営を視察し,欧米の経営方式に感銘を受けながらも,その経営手法をそのまま移植することはなく,自国の企業に適合するように修正するという手段を選んだことが明らかになった。すなわち,修正の度合いを基準に,新しい技法の導入から実用化までの過程は次の3パターンに分けられる。(1)新技法を即導入:経営者の精神,品質管理,製造上の技術など(2)新技法を日本の文化に適応するよう修正して実用化:マーケティング,インダストリアル・エンジニアリング,ヒューマン・リレーションズ,原価計算など(3)新技法の導入が困難で大幅に修正,あるいは従来の方法を踏襲:人事・労務管理,労働組合これらは日本の経営が欧米の経営と同様にはなり得ないと経営者が判断した時に選んだ経営の方法であり,それは明治開国期に行われた外国技術の導入方法と根本的に同じ手法でもあった。
- 1998-02-25
著者
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