開業医外来を利用した肺癌地域検診

概要

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一般開業医外来を利用し喀痰細胞診を中心とした肺癌地域検診の成績を報告した。開業医外来を訪れる患者のなかで, 40歳以上で喫煙指数400以上の男女, 呼吸器症状の長期継続者, 胸部X線有所見, 以上三つの条件のうちいずれか一つでも該当する者を対象とし, 対象者1, 042名中28名(2.69%)の肺癌患者を発見した。検診発見肺癌の組織型は扁平上皮癌20名, 腺癌7名, 小細胞癌1名であり, 病型は肺門型肺癌17名, 末梢型肺癌11名である。臨床病期は早期肺癌3名, I期11名, II期4名, III期6名, IV期4名であった。喀痰細胞診の成績はパパニコロー分類に準じ, 材料不適8.16%, Class I 21.21%, Class II 67.75%, Class III 0.38%, Class IV・V 2.50%で, 喀痰細胞診陽性肺癌は23名であった。開業医外来にて他疾患経過観察中に発見された肺癌患者が13名と約半数を占めたこと, 早期肺癌を含む肺癌発見率が高率であったこと等から開業医外来を利用した肺癌地域検診の重要性を示唆した。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1985-06-25