気管および主気管支原発の腺様嚢胞癌 : 病理組織学的所見, CT 像, および気管支鏡所見の検討

概要

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気管および主気管支原発の腺様嚢胞癌12例の病理組織学的所見, CT像, 気管支鏡所見を検討した。腫瘍進展形式を腫瘍最大割面より管腔内進展型, 管腔内外進展型, 管腔外進展型に分類した。組織学的には3種類に分類した。I型はtubularあるいはcribriform typeの組織像のみよりなるもの, II型はsolid typeの組織像を有するがそれが腫瘍最大割面の20%以下のもの, III型はsolid typeの組織像の分布が20%以上を占めるものとした。ほとんどの症例で管腔内進展型はI型, 管腔内外進展型はII型, 管腔外進展型はIII型であった。CT像と気管支鏡所見では管腔内進展型は気管気管支腔内に有茎性ポリープ状に突出する腫瘍であった。管腔内外進展型はCT像では管腔内管腔外ともに進展し, 気管支鏡所見では広基性の腫瘍であった。管腔外進展型はCT像では主に管腔外に占める腫瘍であり, 気管支鏡所見では管腔外よりの圧排像を伴なう広基性の腫瘍であった。管腔内外および管腔外進展型では腫瘍細胞の壁内浸潤を顕著に認めた。以上より, 気管および主気管支原発の腺様嚢胞癌においてCT像と気管支鏡所見は腫瘍進展形式, 組織学的所見, 腫瘍の壁内浸潤の予測に有用であると思われた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1989-09-30