北海道和種馬における粕毛のホモ遺伝子型は致死でない
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウマの毛色遺伝のうち粕毛ホモ接合体(R/R型)は致死であると言われているが,北海道和種馬で粕毛は高頻度で出現し,R/R型のホモ型個体が生存している可能性が高いとされている。そこで,その正否を明らかにするため,粕毛の遺伝様式について独自の調査を行った。北海道和種馬における粕毛の出現頻度は0.507と全体の約半分を占めていた。両親または片親に粕毛を持つ個体間の交配資料を用いてχ^2検定を行った結果,粕毛×粕毛の交配において,ホモ型致死説では子ウマにおける粕毛と非粕毛の分離比は理論値と一致せず(p<0.001),ホモ型生存説では分離比と理論値が一致した(p=0.2〜0.1)。また,粕毛×非粕毛の交配では統計学的にホモ型致死説を否定できなかったが,ホモ型生存説による分離比の方がより理論値と一致した。この交配例では子ウマにおける粕毛と非粕毛の分離比が1.3 : 1の時に,統計学的に最も高い確率で適合した。さらに,血統登録種牡馬においてホモ型粕毛個体の推定を行った結果,17頭のうち3頭のホモ型個体の存在が推定された。以上のことから,北海道和種馬における粕毛ホモ型個体は生存している可能性が確認された。
- 東京農業大学の論文
- 2002-09-20
著者
-
横濱 道成
東京農業大学生物産業学部生物生産学科
-
横浜 道成
東京農業大学 生物産業学部 生物生産学科
-
横浜 道成
東京農業大学
-
横濱 道成
東京農業大学生物産業学部
-
野澤 謙
京都大霊長研
-
野澤 謙
中京大学教養部
-
野沢 謙
中京大学教養部
-
野村 紘子
東京農業大学生物産業学部生物生産学科
-
安原 隆史
東京農業大学生物産業学部生物生産学科
-
野澤 謙
Emeritus professor of Kyoto University
-
横濱 道成
東京農業大学 生物産業学部 生物生産学科
-
横濱 道成
東京農業大学生物産業学部動物資源生産学研究室
-
野沢 謙
名古屋大学農学部
-
野沢 謙
名古屋大農
-
Nozawa Ken
Primate Research Institute Kyoto University
-
横濱 道成
東京農業大学
-
野沢 謙
名古屋大学農学部家畜育種学教室
関連論文
- モンゴル草地における植生調査とパターン展開法を用いた土壌水分推定
- ミトコンドリアゲノムに基づくニホンジカ(Cervus nippon)の分子系統
- モンゴル在来山羊3集団の冬季体重損耗率とカシミヤ毛生産量
- ミトコンドリアゲノムに基づくニホンジカ (Cervus nippon) の分子系統
- 可視・近赤外域分光反射特性を用いた土壌含水比推定
- ウマ血清蛋白質に対するモノクローナル抗体の作製
- カンボジアに現存する小耳種系豚 : その形態と飼養状況について
- モンゴル国における家畜飼養の動向--モンゴル草原の植生保全の視点から
- エミューと他鳥種間の卵白成分の電気泳動像の比較
- リモートセンシング画像を用いたモンゴル草地における植被率と土壌水分量の推定手法開発