製造間接費差異分析についての基本的考察(商学部創立10周年記念号)
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概要
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以上で,われわれは,製造間接費差異総額を分析するための基礎的前提として,7つの基本的差異を析出してきた。いま,それらを簡単に要約し,比較対照するならば,つぎのようになるであろう。(1)変動費差異(費消差異)(1.1)量的費消差異(変動的費消差異)a a=(v-v')x_a[+(F-F')]=(5)-(1) (1.2)時間的費消差異(変動的時間差異)b b=v(x_s-x_a)=(3)-(5)=(6)-(4)=(2)-(7) (1.3)生産高費消差異(変動的生産高差異)c c=v(x_s-x_p)=(3)-(9)=(11)-(8)=(2)-(10) (2)固定費差異(操業度差異)(2.1)時間的操業度差異(固定的時間差異)d d=F/(x_0)(x_s-x_a)=(7)-(4)=(2)-(6) (2.2)生産高操業度差異(固定的生産高差異)e e=F/(x_0)(x_s-x_p)=(10)-(8)=(2)-(11) (2.3)計画的操業度差異(固定的計画差異)f f=F/(x_0)(x_p-x_0)=(8)-(9)=(11)-(3) (2.4)実質的操業度差異(固定的実質差異)g g=F/(x_0)(x_a-x_0)=(4)-(5)=(6)-(3)なお,d+g=e+f 時間差異=b+d=(x_s-x_a)(v+F/(x_0))=(2)+(4) 生産高差異=c+e=(x_s-x_p)(v+F/(x_0))=(2)-(8) このような製造間接費の差異分析についての基礎的考察を踏まえたうえで,一般に行われている諸分析方法の比較検討,生理に進もうというのが,これからわれわれの意図するところである。
- 慶應義塾大学の論文
- 1967-06-30
著者
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