混合車両組立ラインの投入順序づけ問題
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概要
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トヨタ生産方式における車両組立ラインの運営においては, 作業負荷の平準化と部品の消費速度の平準化の2つを達成することが重要である.最近, 車両の種類が非常に多くなり, 組立ラインでは以前より多くの種類の車両を組立ているので, 組立ラインの作業ステーションの作業時間のバラツキは従来以上に大きくなってきている.しかし, トヨタ自動車(株)での車両の投入順序づけにおける作業負荷の平準化は車両の総組立時間で処理されており, 作業ステーションの作業負荷の平準化は以前より困難になってきている.一方, 車両の組立ラインでは約300の作業ステーションがあり, また車の種類も非常に多いので, これらの作業ステーションの作業時間データを正確に維持管理することは現状では困難である.そこで, 同じような作業時間を持ついくつかの作業ステーションを1つの作業ステーションで表すことによって, 300の作業ステーションを15の作業ステーションで代表させることを考える.この15の代表作業ステーションの作業負荷の平準化を図ることによって, 300の作業ステーションの作業負荷の平準化を近似的に行うという, 実際の組立ラインの運営に即した新しい考え方を取り入れる.また, 作業負荷の平準化は車両1台1台の並びの順序が大変重要であるが, 部品の消費速度の平準化では, 例えば5台とか10台単位に部品の消費量が平準化していれば実際の工場運営では十分であることに注目し, 従来にない考え方で投入順序づけ問題の定式化を行い, 大規模な実際問題に適応できる近似解法を提案する.近似解法の精度については, 数値例で示すとともにアニーリング法との精度比較も行う.
- 社団法人日本経営工学会の論文
- 2004-04-15
著者
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