膀胱腫瘍の病理組織学的研究 : 第1報間質反応の臨床的意義

概要

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50例の膀胱腫瘍摘出標本について,Bohemingの唱える間質反応について病理組織学的検討を加え,その臨床的意義について検討したところ次の結果を得た.1)線維性間質反応と組織学的発育形式,組織学的深達度,組織学的伸展様式との間には有意な相関関係(p<0.05,p<0.025,p<0.025)が認められたが,組織学的悪性度との間には有意な関係は認められなかった.2)細胞性間質反応としてのリンパ球,好中球,形質細胞各々について検索したところ,好中球と組織学的深達度との間に有意な相関関係(p<0.05)を見た以外,他に有意な関係は見なかった.3)経過の追跡し得た34例について予後を検討したところ,線維性間質反応,細胞性間質反応の有無により予後に差が認められ,何らかの臨床的意義を有するものと考えられる.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1981-09-20