成人男性における口腔清掃行動と各種保健対処行動との関連性に関する研究

概要

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口腔保健を目的とした成人の口腔清掃行動はいまだ十分とはいえず,より効果的な教育指導が必要である。このため,口腔清掃指導にあたっては,口腔清掃の重要性を理解して行動移行が容易なグループ(以下,理解群)と口腔清掃に無関心なグループ(以下,無関心群)に区分し,それぞれに適した教育指導が必要である。ここでは,歯科保健事業を実施している事業所勤務の30〜59歳男性699人を対象に,口腔清掃の回数,時期,方法により理解群と無関心群に区分して,両群の口腔状況,健康状態,生活習慣の差異について分割表,林式数量化II類,III類を用いて分析し,この結果から両群の保健対処行動の差異を検討した。この結果,理解群では,保健対処行動として「歯科治療が完了している」「喫煙しない・禁煙した」「生活が規則的である」「運動を定期的に行う」「健康診断を受診している」者が多く認められた。今後,成人に対する口腔清掃の教育指導に際して,前記保健対処行動をもとにグループ分けして行うことに意義がある。
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
1996-07-30